株式やETFなどは高配当の方がよいのか?投資効率から考える

資産運用

今人気の金融商品の一つに「高配当」に関係しているものがあります。国内株式でも高配当のJT(たばこ産業)、三井住友FGなどです。米国ETFならSPYD(S&P高配当株式)、HDV(iシェアーズ コア米国高配当株)などが有名です。

なぜそこまで人気があるのでしょうか?金融商品として優秀なのでしょうか?今回はそれに対する答えを書いていきたいと思います。投資する目標に応じて向いている人、向いていない人がいますので参考にしてほしいです。

「高配当」とは必ず投資家にメリットがあるのか?

なぜ配当を多く出せるのか?

配当とは企業が生み出した利益の一部を、株主などの投資家が受け取るものです。それでは高配当の銘柄は多くの利益を出しているのでしょうか?

利益が多く出している場合もありますが、そうではない場合もあります。大切になるのは「配当性向」(はいとうせいこう)です。これは利益のうち、どれだけを配当に回しているかの割合になります。配当性向が高いほど、利益を株主に還元=企業に利益が残っていない状態です。

また配当には「特別配当」や「記念配当」があります。特別配当は特別な利益が出た場合に誰されるもので、記念配当は企業の設立からの周年記念などで出されるものです。

配当は利益と関わりが深いですが、利益がなくても出している企業もあります

配当を多く出すと企業の成長は遅くなる?

企業の利益の一部が配当になります。ということは、企業は利益の一部を設備投資や開発費に回さなかったお金を株主に還元することになります。

設備や開発にお金を回さない分、新しいサービスや商品が出ずらいこともあるかもしれません。逆に配当をあまり多く出さずに、設備投資や研究開発費に回す資金が多いと企業は新しい商品やサービスを生み出すことができるのかもしれません。

もちろん、売り上げや成績は企業の株価として現れます配当を多く出す企業はあまり成長しない。配当をあまり出さない企業は大きく成長する。そんなことがあり得るかもしれません。

配当にかかる税金は無視できない!

配当所得に課税されます。日本企業から得られた配当には約20%の税がかかります。4分の1にあたりますのでとても大きいですね。また米国EFTや個別銘柄からの配当には約28%とかなり高い利率です!

日本企業からの配当には配当控除を使うべし

日本企業からの配当には配当控除という制度を使うことができます。配当控除は「二重課税」にあたるため、申告すれば税金を還付してもらえます。(企業の利益には法人税がかかり、配当所得には約20%の課税)

課税総所得が約900万円未満の方は、確定申告をすることで15%~2%の税金が返ってきます。

  • 「配当控除」を利用する場合は、「総合課税」を選択する
  • 「総合課税」を選んだ人は損益通算ができないので注意
  • 所得が約900万円を越える人は「確定申告不要」が得をする

「総合課税」は給与所得や事業所得などと配当所得を合わせて課税する方法です。給与などは累進課税が適用されますので、所得(収入)が少ない人は低い税率が適用されるわけです!

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配当を再投資するのは投資効率が悪い?

配当控除を使っても配当には最低5%の税金がかかってきます。所得が高い人は約20%です。税金を引かれたあとの配当金を再投資に回すのは、税金を抜かれた分だけ能率が悪いということになります。

再投資は資産を大きくするためには複利効果が効くので大変有効です。しかし、配当への税金を考えた場合それだけ能率が悪くなります。

もし配当金を使わずに資産を大きくする場合は、配当金をあまり出さず売り上げや規模を大きくしていく企業の株式を購入する方が効率がいいでしょう。

アメリカを代表する企業、AppleやMicrosoftの配当利回りは約1%前半です。配当を出さずに企業自体を大きくしていくことに目指しているためです。

高配当の金融商品に向いている人

以上のことをまとめてみると、高配当を買うべき人、買わない方がいい人が見えてきます。

高配当を買うべき人
  • 将来、配当で生活をしようと考えている人(年金の足しなど)
  • 配当を再投資せずに生活費などに使う
  • 株価に振り回されず精神的な安定を図りたい人

インデックスファンドなどは分配金が少ないものが多いです。それだけ基準価額の上昇に重きを置いているからです。インデックスファンドの場合は、資産を切り崩すときに判断を迷います

いつ、どれぐらい切り崩していくのか?いわゆる出口戦略が難しい面があります。

一方、高配当の株やETFの場合は売却する必要がありません。保有している上で、出される配当を受け取って使っていくだけなので判断が必要ありません。

高配当を買ってはいけない人
  • 老後の資金を能率重視で大きくしたいと考えている人
  • 確定申告は面倒なのでやりたくない人
  • 増配する企業、連続配当する企業など探すのが苦手な人

配当は税金がかかる分だけ、損をするので能率を重視する投資を行いたい人は高配当はおすすめしません。配当を生活で使う人にはおすすめできます。

今人気の高配当銘柄ですが、自分の投資スタイルや考えている生活に合っているかチェックしながら購入を検討してください!

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