【レビュー】『NISAで利回り5%を稼ぐ 高配当投資術 なぜバフェットは日本株を買うのか』

資産運用

今は成長力に魅力がある、米国株投資大人気です!しかし、日本株に魅力はないのでしょうか?今回は『高配当投資術 なぜバフェットは日本株を買うのか』という気になる書籍を読んだので、勉強になったポイントを紹介します。

簡単に書籍の内容をいうと、「高配当を出すバリュー株に投資をして、インカムゲインとキャピタルゲインをえましょう!」になります。

読んだ感想としては、「日本株もまだまだ魅力があるな」です。私はネオモバで国内高配当株投資をしていますが、国内株への見方が変わりました!

NISAで利回り5%を稼ぐ 高配当投資術 なぜバフェットは日本株を買うのか (日本経済新聞出版)

『NISAで利回り5%を稼ぐ 高配当投資術』の目次

  • 第1章 ウォーレン・バフェットが日本の5大商社を買う理由
  • 第2章 筆者が選ぶ「もしバフェ」5銘柄
  • 第3章 日本は輝くバリュー株の宝庫である
  • 第4章 脱炭素・DX時代に飛躍する日本企業
  • 第5章 利回り5%、高配当株ファンドを自分で作る「ダウの犬」投資戦略
  • 第6章 三菱UFJは逆バブルの代表
  • 第7章 今ハゲタカがいたら狙われる「含み資産株」
  • 第8章 親会社からTOBがかかってもおかしくない4社
  • 第9章 高配当株投資はNISAを使おう
  • 第10章 「株主優待」を上手に使おう

筆者 窪田真之氏とはどのような方は?

私は書籍を買う時は、必ず肩書や経歴、他の著書などを見ます。今回紹介している本の著者は窪田真之さんです。この方の経歴はすごいです。まさに日本株のスペシャリストです!

現在の職は?

現在は、楽天証券経済研究所 所長兼チーフ・ストラテジスト

楽天証券の投資情報サイト「トウシル」にコラムを連載されています。とても分かりやすく、短い時間でも読める人気コラムとなっています。FIREについての記事も多いです!

経歴や職歴は?

大和住銀投資顧問などを経て、楽天証券研究所へ。日本株ファンドマネージャーを25年務めました。年間100社を超える調査取材をこなし、40代では2,000億円超の日本株運用を担当されていました。

また機関投資家との対談から、外国人投資家事情についても精通されています。

勉強になったポイント3つ!

1.割安株は「PER」と「PBR」で探す

日本株でバリュー株に投資する場合は、個別銘柄を買付することになるのでこの2つの指標はおさえなくてはなりません。

PER(株価収益率)とはなにか?

株価の割安・割高を判断する時にもっとも使われる指標です。〇倍と表します。

PERの計算方法

株価÷1株当たりの利益(倍)

この指標でになにが分かるのでしょうか?よく聞くけど、何を表しているものでしょうか?個人的な言い方をすると、

「今の株価は、利益の何倍の値段が付いているか」

平均としては、10倍から20倍らしいです。もちろん業種によって、倍数の高低があります。成長が期待されるハイテク株は、50倍ほどになったりしますが、簡単に割高だとは判断できません。

PBR(株価純資産倍率)とはなにか?

PERと似ていますが、この指数は資本や資産と株価の割合を示しています。

PBRの計算方法

純資産(資産から負債をのぞいたもの)÷株式時価総額(倍)

この指数の方が分かりやすいかもしれません。1,000億円の純資産を持っている会社が、時価総額800億円の値段が付いている場合は割安と判断できます。

当然、基準は1.0倍になります。安定して事業を行っている会社の1.0倍以下は割安です。しかし、将来が不安視されている会社は1.0倍を下回ります。

2.逆バブルは日本で起こっている

バブル経済は聞いたことがあっても、「逆バブル」は聞いたことがありませんでした。

その名の通り、実態を表していない状態で、正当な評価されていない割安な状態です。先ほど見た、2つの指標で照らしても国内大手企業でも逆バブルは多いです。

逆バブルの代表格 三菱UFJをはじめとするメガバンク

著者はとくに、三菱UFJが割安で各章で触れていることが多いです。景気敏感株として今、銀行株など金融を避ける人が多いですが投資の価値が高いと言っています。

銘柄名株価・円配当利回りPER・倍PBR・倍
三菱UJF FG578.04.7%8.70.44
三井住友 FG3,802.05.3%8.70.43
みずほFG1,535.04.9%7.60.42
(同書から引用、2021年4月30日時点)

3大メガバンクですが、ともにPBRは1.0倍を大きく下回り、PERは10倍を下回っているので割安と判断されています

最近では、ネオモバ投資などで三菱や三井住友など高配当という面が注目されていますが割安株でもあります

これはキャピタルゲインにも期待できますね!

日経平均3万円を越えても、バブルではない

今の日経平均は、2万8,000円前後を上下しています。その中で「コロナ禍でこの株価はバブルだ」「金あまりがバブルをつくっている」などと言われることがあります。

日本が過去に経験したバブル経済は、1980年代に起こりました。3万8,915円という史上最高値を付けました。

PERに換算すると、約60倍という異常な数値です。15年ほど前は約14倍だったので、異常な高騰ぶりがうかがえます。

では、今の日本の株価は?東証一部の株価、PERは10倍から20倍におさまります。この数字は今の日経平均がバブルではない根拠となっています。

3.「含み益株」という考え方

企業の中には不動産を持っているおり、含み益を抱えているところがあります。その含み益を考慮して、割安株を見つけようというアプローチは勉強になりました!

含み益が1,000億円以上あるのは37社

不動産銘柄を中心に含み益を持っている会社が広がります。電鉄や小売り、情報通信など多岐にわたります。

含み益が多い企業

  1. 三菱地所 42,225億円
  2. 住友不動産 31,762億円
  3. 三井不動産 29,184億円
  4. JR東日本 15,488億円

筆者が買ってみたい9社

飯野海運安田倉庫三井倉庫HD
三井不動産三菱地所住友倉庫
三菱倉庫JR東日本京阪神ビル

なお、あまり知られていない「安田倉庫」ですが「もしバフェ」の番外編に出てきます。時価総額が低いので、バフェットは買わないだろうが割安で高い成長性が見込めるとのことです!

米国株投資がすべてではない!バリュー株投資は国内!?

今回は、「NISAで利回り5%を稼ぐ高配当投資術」で国内株と割安株を見ていきました。国内株ファンドマネージャーだからこその見方があり、とても勉強になりました。

米国株投資はグロース株などの成長性に支えられています。バリュー株はいずれ株価が上がる銘柄です。狙いは同じです。この書籍で自分のマネープランを再確認してみてください。

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