VOOやVTIの買付をしている人の中には、セクターETFが気になる方も多いでしょう。ハイテク株の比重を高めたい、株価の安定性を求めたいなど人によりニーズはさまざまです。
今回は、米国ETFのセクターETFについて書きます。個人的にはメインでセクターETFに投資するよりも、ポートフォリオのバランスを整えるのがセクターETFは向いていると考えます。
セクターとは業種のまとまり 米国市場は11に分類される
セクターETFとはなにか?
米国株式市場(NY証券取引所、NASDAQ)には、約5,000以上の銘柄が上場しています。その銘柄を業種をもとに、分類したものがセクターです。
①情報技術 ②ヘルスケア ③一般消費財 ④コミュニケーション ⑤生活必需品 ⑥公共事業 ⑦素材 ⑧不動産 ⑨資本財 ⑩金融 ⑪エネルギー
ハイテク株で代表的な企業は、すべて①情報技術セクターに入るというわけではありません。アップルは「情報技術」、アマゾンは「一般消費財」に属しますので、注意が必要です。
S&P500のセクター構成
世界でもっとも有名な株価指数「S&P500」は、米国の大型株約500銘柄で構成されています。セクターにより割合が異なっています。
セクター | 指数内の比率 |
情報技術 | 27% |
ヘルスケア | 14% |
一般消費財 | 11% |
通信サービス | 11% |
金融 | 10% |
資本財 | 8% |
生活必需品 | 7% |
公共事業 | 3% |
素材 | 3% |
不動産 | 2% |
エネルギー | 2% |
S&P500は「情報技術セクター」の比重が大きくなっています。インデックスファンドで、投資する場合は情報技術セクターへ多めに投資していることを意味します。
全米株式やS&P500をしている人にもおすすめ
全米株式やS&P500に投資する場合は、市場全体に投資していることになります。これにコア投資しながら、気になるセクターへサテライト投資するという方法もあります。
米国の情報技術セクターに投資をする「VGT」は非常に有名です!世界経済を引っ張るハイテク企業に投資をして、大きなリターンを得たい人には人気があります。
また株価の安定性を求める人には、生活必需品などのセクターを選ぶことが多いでしょう。自分の考えるプランに合わせて、セクターを選ぶことができます。
景気の状態とセクターの相性
景気は4つの状態がある
景気の状態には、「好況」「停滞」「不況」「回復」の局面があります。下図のように循環しながら、経済は成長していきます。
景気敏感株と言われる、金融銘柄は景気の影響を受けやすく不況では株価も停滞することが多いです。一方、不況でも生活必需品(消費安定株)は買われるため大きな下落は起きにくいとされています。

景気により、強いセクター
景気や金利の動向により、成長しやすいセクター、強いセクターがあります。
景気 | 強いとされるセクター |
好況 | 素材 一般消費財 資本財 |
停滞 | エネルギー |
不況 | ヘルスケア 生活必需品 公共事業 通信サービス |
回復 | 金融 情報技術 不動産 |
セクターETF一覧
米国セクターETFは、主にバンガード社やステート・ストリート社などから出されています。ETFの経費率は0.1%~と、とてもコスト面でも優れています。
セクター | バンガード | ステート・ストリート |
情報技術 | VGT | XLK |
ヘルスケア | VHT | XLV |
一般消費財 | VCR | XLY |
通信サービス | VOX | XLC |
金融 | VFH | XLF |
資本財 | VIS | XLI |
生活必需品 | VDC | XLP |
公共事業 | VPU | XLU |
素材 | VAW | XLB |
不動産 | ー | XLRE |
エネルギー | VDE | XLE |
セクターETFを使ってトッピング
インデックスファンドを使って、全米株式やS&P500へ投資することが確実にお金を増やす方法だと考えられています。その中で、自分の投資スタイルに合わせたりリスクとリターンの調整を可能にするのが「セクターETF」です。
「セクターローテーション」と呼ばれる、景気に合わせてセクターを調整するという手法もあります!インデックス投資を中心に、自分好みにトッピングするためセクターETFを加えてみるのもいいですね。
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