2021年10月31日に行われる、衆議院議員選挙に関わって「NISAへの課税」がメディアやネット上で話題になりました。投資家ならNISAへの課税は完全にルール違反であり、NISAの意味を知っているのか?とあきれてしまいます。
今回は、NISA制度について確認するとともに、よく比較されるiDeCoとNISAを比べました。私はNISAをおすすめします。手軽で分かりやすい制度であり、運用によっては大きな非課税メリットがあります。
iDeCoは個人年金制度になるので、設計が難しく60歳まで資金が引き出せない、さまざまなコストがかかるなどありますのでご確認ください。
NISAとは「少額投資非課税制度」のこと!
NISAとは「少額投資非課税制度」と呼ばれます。その名の通り、少額の資金を運用する方が手にした運用益や配当金・分配金が非課税になるものです。
通常、運用益や配当金等に対して約20%が課税されます。100万円の利益があっても、約20万円が税金で徴収されます。しかし、NISAを使うことで税金を0円にすることができます!
とてもシンプルで分かりやすいので、初心者の投資家さんにも使いやすい制度です。私もNISAをよく勧めています!
NISAには、2つのタイプがあり自分の投資スタイルに合わせたタイプを選ぶことができます。
NISAには2つのタイプがある!
一般NISAは最大600万円の運用が可能
2014年からスタートしたNISAは当初、年間100万円が非課税枠の上限でした。現在では120万円となっており、月10万円で積立する場合は計算がしやすいです。
一般NISAの場合が年間120万円が上限で、5年間非課税期間があります。例えば、平成28年に120万円で株式を取得した場合は平成32年までが非課税期間となります。
平成28年に120万円で買い付けた株式が、200万円に値上がりしても税金はかかりません。80万円の利益をそのまま受け取れるというのが、NISA最大の利点です!
一般NISAは「ロールオーバー」という、非課税期間の延長制度を使うことができます。平成32年に非課税期間が終了した株式200万円を、さらに平成37年まで期間を延長することができます。
しかし、ロールオーバーを使うと平成33年の非課税枠120万円を使うことになるので新規投資することができません。その時の情勢を見て判断する必要があります。
つみたてNISAは最大800万円の運用が可能
2018年からスタートしたのが、つみたてNISAです。一般NISAに加わり、どちらかを選べるようになりました。投資初心者の方には、こちらのつみたてNISAをおすすめします!
非課税期間が20年間と長く、年間非課税投資額が40万円(月あたり3万3千円ほど)だからです。投資は、運用期間を長くとる方が投資元本割れの可能性を減らせます。またリターン(運用益)も大きくなります。
つみたてNISAは20年×年間40万円=最大800万円の投資を非課税で行うことができます。つみたてNISAの場合は、買付できるのが投資信託のみです。(一部ETFを含む)金融庁が選んだファンドから買うことになります。
一般NISAとの大きな違いは、ロールオーバーができないことです。2018年に投資した40万円は2037年に非課税期間が終わります。2019年の投資分は2038年まで…と順に期間を終了していきます。
NISAで投資をするメリット
- 運用益や分配金などが非課税になる(約20%の税率はかなり大きい)
- NISAで買い付けた金融商品はいつでも売却することができる
- iDeCoと比べて、NISA口座の開設はネットで簡単にできる
NISAを使う上での注意点
- NISAの非課税投資金額は翌年に持ち越せない
- NISA口座は一人1口座しか持てない
- 一般NISA、つみたてNISAどちらかしか選べない(毎年1回のみ変更可能)
- 証券会社をかえることができるが、年内に一度でも買付をすると来年しか会社を変更することができない
- 一般NISAは株式、不動産投信、投信、ETF つみたては投信、ETF(金融庁が選んだもの)
- 米国株式を一般NISAで買付することができるが、配当金や売却益などに対して約10%の税金がかかる
iDeCoとNISAのちがいは何?
非課税や税制で優遇されている制度でよく比較されるのは、「iDeCoとNISA」です。ともに優れた税制ですが、大きな違いがあります。
おわりに
マネープランや資産運用に関する本に必ず登場する、NISAとiDeCo。ともに税制面で得をするのは間違いないですが、大きな性格が違います。
自分の考えている投資に合っているのか、で制度を選びたいです。特にiDeCoは買付してしまうと60歳まで引き出せないので注意が必要です。
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