単元未満株を買う人の味方「ネオモバ」が「金融サービス仲介業」を11月1日からスタートさせました。今まで同じような仲介業があるようなイメージを持ちますが、何がちがうのでしょうか?
今回は個性的な証券会社SBIネオモバイル証券が、新しく始めた金融サービス仲介業について書きます。利用者にとってメリットはあるのでしょうか?
「金融サービス仲介業」とは何か?
2021年11月1日より、金融サービス仲介業が開始されSBIネオモバイル証券が同業務を開始させました。「ネオモバ」と言えば国内株式の定期積立をイメージしますが、どのようなことをするのでしょうか?
今までは、銀行・証券・保険に関する商品を取り扱う場合はそれぞれで認可を受け業界の団体に所属していました。それが1つのライセンスを取ることで、3分野の金融商品を扱うことができるようになりまいた。
金融サービス仲介業として扱うことのできる商品は限定されています。リスクの高いものや金利の高いものは除外されていると考えればいいと思います。
取り扱いができる | 取り扱いができない | |
銀行 | 普通・定期預金、外貨普通預金、住宅ローンなど | 消費者カードローンなど |
証券 | 株式、投資信託、ETF、公社債など | 仕組債、デリバティブ取引、信用取引、IPOなど |
保険 | 生命保険、医療保険、損害保険など | 終身保険、外貨建て保険、変額保険、火災保険など |
ネオモバはどんなサービスを始めたのか?
金融サービス仲介業を11月1日からスタートさせた業者は少数です。その一つがSBIネオモバイル証券で、国内初の金融仲介業者をうたっています。
ネオモバはどのようなサービス・商品を扱っているのでしょうか?現在のネオモバは、少額短期保険いわゆる「掛け捨て保険」を扱っています。
「バイク保険」「自転車保険」「ペット保険」の3つです。それぞれ年間保険料が低いものです。バイクと自転車保険は傷害保険ではなく、盗難保険です。
ネオモバが仲介している商品はすべてSBIグループのものです。「バイク保険」はSBI日本少短、「自転車保険」もSBI日本少短、「ペット保険」はSBIいきいき少短の商品を紹介しています。
まだまだ取り扱いの商品が少ないですが、これから利用者のニーズに合わせて増えていくと考えられます。
なぜ金融サービス仲介業をはじめる業者は少ないのか?
今月から始まった金融サービス仲介業を行っている業者は、現在2社のみです。(2021年11月3日時点)ネオモバの他には、楽天証券の商品を仲介する「400F」(フォーハンドレットエフ)だけです。なぜそこまで少ないのでしょうか?
- 扱える金融商品・サービスが少ない
- 手数料が多く見込める商品を仲介することができない
- 3分野で認可を取っている業者にとっては魅力がない
仲介業者が少ない原因で大きいのは、大きな手数料をもらえる金融商品を扱えないことが大きいです。銀行業務の中では、金利の高い消費者向けカードローンは扱えません。年利14%が期待できるカードローン事業を仲介することができないのであれば、仲介手数料も低いことが予想できます。
FXやリスクの高い投資商品も手数料が高いですが、扱いを禁止・制限されているために認可を取って仲介業をやるメリットは小さいです。
手数料の低い商品を仲介しているから、利用者には良い!
仲介業者にはうまみの少ない「金融サービス仲介業」かもしれませんが、利用者にとっては都合が良いです。
手数料が高い=利用者が不利益になる、損をしていると考えることができるからです。保険で言えば、少額短期保険は設計がシンプルで分かりやすく安価です。
利用者からすれば比較しやすく、納得して商品やサービスを選ぶことができます。金融商品は複雑化するとコストも上がり、設計も分かりにくくなります。
その点「金融サービス仲介業」を行っている業者が扱っている商品は分かりやすく、選びやすいです。【金融版価格ドットコム】が誕生するのか?、と言われているのは比べやすいからです。
まだまだ未開の業界「金融サービス仲介業」
仲介業を行う業者は2社のみです。これから参入する業者は増えると考えられます。期待されるのは、同じようは金融商品を簡単に比べることのできる「ECサイト」ができることです。
金融サービスに適正な競争が働き、利用者にとってうれしい価格・うれしいサービスが出てくることを期待します。
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