住宅ローン控除(減税制度)の税制見直しが2022年に行われる見通しです。現在は年末のローン残高に対して、1%の税金が還付されました。どのように変わるのか見ていきましょう。
適用される税制はいつからか?
- 現在、住宅ローン控除を受けている=そのままの税制を適用
- 新築住宅は令和3年9月30日までに契約した=旧税制を適用
- 分譲住宅、増改築等で令和3年11月30日までに契約した=旧税制を適用
- それ以外=新税制を適用
契約した後の、住居開始は令和4年中にしなければなりません。
現行はローン残高×控除率1%×13年間
消費税10%に伴い期間が延長
消費税が10%になることで消費の落ち込みを緩和するため、住宅ローン減税の期間は10年から13年に延長されました。
2%の増税分は、減税期間が3年延長されたことで3%の還付を多く受けられることになりました。実質住宅ローン残高1%分の還付が多くなる計算です。
変更後はローン残高×控除率0.7%×15年間?
控除率が低下し期間が延びる
11月20日現在で有力なのは、控除率0.7%です。現行制度は1%であるのに対し、0.3%の改悪となります。期間は最大13年が15年に延長されます。延長されても還付される金額は、現行よりかなり少なくなります。
2021年8月の住宅ローン金利の平均は、変動金利0.6%、10年固定金利0.8%、35年固定金利1%と言われているのでかなり厳しい税制改正と言わざるおえません。
変更の理由は金利の“逆ざや”
超低金利が長く続く
35年固定金利が1%台になってから5年以上が経っています。日本経済の成長もそれほど見込めず、コロナ禍からの経済回復も先行きが見通せません。
金利が上昇するという可能性は現段階では、考えずらいです。そのため1%という控除額を変更するという決定になりました。
利子よりも控除税額が大きい
変動金利の平均は現在0.6%ほどで、最低金利は0.4%と言われています。住宅ローンを0.4%で組んでいる場合、利息は0.4%分しか払わないが1.0%分の税金還付があります。
差し引き毎年、0.6%の利益が出ることになり、それが最低でも10年間続くことになります。借り入れを4000万円しているとすると、以下の通りになります。
4000×0.4=16万円が利息
4000×1.0%=40万円が還付金
毎年、24万円の利益が出ることになり10年間で240万円になります!
これから住宅ローンを組む方へ
還付される税額が少なくなります。それに伴って注意すべき点がいくつかあります。
私自身、住宅ローンを組んでおり控除制度を使っています。これからローンを組む方が参考になるような点を解説します。
変動金利を選ぶべき
- 日本経済や世界経済の先行きは明るくはなく、金利が大きく上昇する可能性は低い
- 長期固定金利だと利息負担が大きくなりすぎる
還付された税金は使わない
4000万円のローンを組んだ場合、年間28万円の還付が予想されます。還付は消費などに充てず、ローン返済費用として貯蓄しておくべきです。
金利上昇に対応でき、リスクを管理するために必要な資金です。還付金を見込んで生活をしていくなら、住宅ローン自体を組むべきではありません。返済に行き詰まります。
繰り上げ返済は原則、16年目に
繰り上げ返済を考えている人は、住宅ローン控除が終わる16年目にするべきです。ローン残高を大きくしておかないと、還付金が少なくなります。
低金利が続く場合はあまり繰り上げ返済をおすすめしません。返済による利息減少も小さく、手持ち資金が少なくなるからです。
長期にわたるリスク管理が重要
金利上昇するなら返済優先
原則、繰り上げ返済はおすすめしませんが金利が3%~4%を超えるなら話は別です。複利により支払利息総額も膨らみます。
一般的に金利が上昇すると、株価などは低迷すると言われています。資産運用して資金が大きくなったら、一括返済と行きたいところですがそうはいかないでしょう。
還付金を待機させておく
ローン控除で還付されたお金は貯めておくべきです。金利の上昇や誰にも予測できません。上昇が起こった時の対応を今から考える必要はあります。
現金は最強の対応策です。まとまった現金で繰り上げ返済をすれば、月額の返済額を下げられる・返済時期を短くできるからです。
ローン借り換えもあり
金融機関も金利で競争をしています。将来、借り入れている銀行より低金利のローンプランが登場する可能性もあります。
借り換え手数料などが必要になりますが、金利が大きいのであれば検討してもよいでしょう。
実名口コミグルメサービスNO.1【Retty】税制が大きく影響を与える住宅ローン
住宅ローンは借入額が大きく、返済期間は20年から30年におよぶことが多いです。そのため人生の大きく左右すると言っても過言ではありません。
計画的にかつ、不測の事態に備えられる柔軟性が必要とされます。今回は2022年度に変更される税制を見ていきました。税制と確認しながら、住宅ローン計画を考えましょう。
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