現在の日本経済は歴史的に見ても「急激な円安」に見舞われています。経済や投資、時事問題に関心がない方でも「円安」の言葉は耳に届いているでしょう。
この円安は消費者にとってデメリットが多いです。円安と同時に問題となっている「物価高」の原因のほとんどは円安が原因です。ではなぜこれほど急激に円安になっているのか?
今回は、なぜ今の「円」は円安になってしまったのか?円安への対策を解説していきます。
円安・円高は「円の売り・買い」で決まる!
「円安」はある通貨と比べて、使われる言葉です。ほとんどは対ドルです。1ドル=138円であれば、1ドルと138円を交換します。通貨を交換する時の割合が変化すると「円安」または「円高」と表現します。
円が売られると「円安」、円が買われると「円高」
円安になる | 円高になる |
円→ドルへ交換 (円が売られる) | ドル→円へ交換 (円が買われる) |
1ドル=138円 →1ドル=139円に! | 1ドル=138円 →1ドル137円に! |
円が売られると人気がなくなるので「円の価値が安く」なります。円安!
円が買われると人気が出るので「円の価値が高く」なります。円高。
円安になっている主な原因
アメリカと日本の政策金利が拡大している
大きな原因の一つに「政策金利の差が広がっている」ことがあります。政策金利と聞いてもピンと来ないので、政策金利=預金金利とイメージしましょう!

表を見ると、日本は-0.1%が続いていますがアメリカは7月1.75%と上昇しています。金利0%の銀行と1.75%の銀行ではどちらにお金を預けますか?当然1.75%の銀行(アメリカ)にお金が集まります。アメリカの銀行に預けるには、ドルに両替する必要があります。
お金が集まる=ドルが買われる!
円が売られて、ドルが買われる=円安
資源が高騰しており、ドル決済が多い
世界中では物の値段が上がっています。原油や木材、半導体や自動車、素材など多くの値上がりがあります。では、物を買う時に使われる通貨は?基軸通貨であるドルです。
多額のドルを用意することで、世界中の素材などを買い付ける必要があります。ドルを買い付けることが多くなったのです。
世界中の物価が上がり、ドルの必要量が増える
ドルが買われる=相対的に円の価格が下がる(円安)
日銀の異次元の量的緩和
日本銀行はマイナス金利を続けています。これは日本に円の量を増やして、経済を活性化させるためです。国民がお金を手にする量が増えれば、買い物をすると考えられています。
しかし、これは円安を加速させます。「円の量と円の価値」は関係があります。量が増えれば価値・希少性は下がります。ゴールドが普遍の価値を持っているのは、少ないからです。逆に多く出回る物は価値が下がり、値段が下がります。
日銀は国内に多くの円を送り出す=円の価値が下がる(円安)
外国人の訪日観光客が減少
円に両替をしてもらう(買ってもらう)機会が増えれば、円高になりますがその機会は多くありません。日本への観光客が増えれば、日本現地で使う「円の必要性」が増えます。
しかし、コロナ禍では訪日客は徐々に増えていますが厳しい規制がまだ残っています。海外からの観光客が戻らない限り、ドルから円、ユーロから円への両替は増えません。
観光客の減少=円への両替(円を買う)が減る(円安)
日本人のドル圏への訪問が増加
日本国内へ海外の観光客は訪問しずらいですが、国内から海外へは出やすくなっています。日本人が好きなハワイやアメリカ本土など米ドル圏へ旅行しやすくなりました。
円を売って、ドルを買う。まさに円安の加速が進みます。
日本に比べればアメリカは入国しやすい環境
日本人がアメリカに行き、円を売り・ドルを買う=円安
円安への対策は何をしたらいい?
円安が進むと物価が上昇してしまいます。日本は世界中から資源や製品を買っているので、支払いのために円を多く必要とするためです。
一番の対策は「ドルを持つこと」です。円の価値が下がるなら、価値が上がる通貨ドルを持てばいいのす。
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円預金のすべてをドルに両替はしない。少しやっ慣れることから
愛用しているのは住信SBIネット銀行です。1ドルあたり6銭の手数料で住みます。都市銀行は1ドルあたり1円、生命保険は25銭と手数料が高いです。
ドルに替えるだけなら、ネット銀行を使って両替しましょう。
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