【家計と人生論】原田ひ香『三千円の使いかた』から得られる、節約と貯金のヒント②

人生論

大ヒットしている小説「三千円の使いかた」から節約や貯金、生き方や価値観を紹介しています。前回に続き、今回も同小説から生きる上でヒントになることを紹介します!(ネタバレ含みます)

前回の記事:【家計改善】原田ひ香『三千円の使いかた』から得られる、節約と貯金のヒント①

登場人物は主に、専業主婦の長女、会社でまだまだ若手の次女、姉妹の母、70歳を過ぎた祖母です。それぞれに悩みを抱えながら生きており、お金に関わるものも少なくありません。

お金の情報も作品の中で出てきますが、生き方に考えれることもしばしば。ヒントになりそうなものを紹介します!

Bitly

お金の知識と節約・貯金のヒント

借金の返済方法と利率

次女には結婚を考えている相手がいますが、学生時代に奨学金(借金)を借りていたことがネックになります。借りていた額は550万円

生活に困っていなくても自動車や教育費、住宅などでお金を借りるがあります。返済するヒントが小説の中にあります!

奨学金の返済計画(借入時の設定)

借入額550万円 月約35,000円返済を20年 利率3%
返済総額約730万円

奨学金と言えど利率3%は決して低くなく、20年の長期間で返済すると利息分だけで約200万円となります。月の返済額は高くありませんが、元本の返済に充てられる部分が小さくなります。

そこで、次女の両親と祖母は相談して返済の計画を練り直します。新生活を始める2人でも無理なく返せる額で、利息を抑えたものです。

奨学金の返済計画(新プラン)

返済額550万円 → 両親が50万円を祝儀代わりに出す + 500万円を祖母立て替え

祖母への返済 月約43,000円返済を10年間 利率1%
返済総額約520万円

家族の支援を受けながらですが、大きく利息が減っています。200万円が20万円となりました。

借金返済のコツ
  • 余裕があるなら繰り上げ返済
    住宅ローンなどで使われる繰り上げ返済は、元本返済になるため利息節約ができます。生活費が確保できているなら、検討しましょう。
  • 金利は低いものへ
    当然、金利は低い方がいいです。借金の借り換え・ローンの借り換えで返済総額を抑えることができます。また少額でも金利の高いものから返済しましょう。
  • 短期で返済
    出来るだけ短い期間で返した方がいいです。利息の複利が効きにくくなります。

関連記事:【住宅ローン】住信SBIネット銀行が「土地先行プラン」を発表!つなぎ融資が不要?

熟年離婚の経済学 離婚は得?損?

専業主婦の母には、同じような主婦の友人がおり、その友人は離婚を予定しています。原因は夫にありますが、慰謝料や養育費を多くもらえるはずもなく…

夫の退職金や年金をどのように分割するのか、慰謝料の額など生々しい数字が出てきます。

熟年離婚をして、年金や分割された退職金や貯金だけでは生活は厳しいです。新しいパートナーや仕事からの収入が必要です。特に主婦・主婦だった方にはつらい現実になります。

関連記事:【貯蓄型保険】「じぶんの積立」は元本保証+103%の返戻率!大ヒット保険の正体

フリーランス・個人事業主の福利厚生

フリーランスのライターをしている女性が登場します。お金の知識も豊富で、老後のケアもちゃんとしています。

福利厚生について問われた女性は、退職金的な存在として「小規模企業共済」を挙げます。性格としては私的年金のiDeCoに似ています。iDeCoは年末調整の明細で、「小規模企業共済等掛金」に分類されています。

小規模企業共済とは?

フリーランス・個人事業主、法人の役員向け退職金制度です。月7万円までの掛金を自由に設定することができます。iDeCoとの大きな違いは「確定給付型」であることです。還元率が高めです。一括受取・年金受取が選べます。

こちらもiDeCoと同じように、全額所得控除になるので節税効果が大きいです。

他にもフリーランス等向けの年金制度は、国民年金基金があります。国民年金が1階部分、年金基金は2階部分になります。

関連記事:【公的年金】国民年金基金とはどんなしくみか?お得な年金?~フリーランス、個人事業主向け~

Bitly

生き方や人生観も考えさせられる

小説は家族一人一人の悩みをリアルに描き、それを乗り越えようとしている姿が書かれています。お金以外にも、どのように生きるか?という問いが含まれているように感じます。

老後での働く意味は大きい

祖母はそこそこの金融資産を持ってますが、働くことを決意します。収入を得るため以外にも、「働きたい」「人のために役立ちたい」「誰かに喜んでもらいたい」といった動機を感じ取れます。

人生の中で”働く”というのは、大きな意味を持っているのです。

世界中の旅だって悪くない

アルバイトでお金を貯め、気ままに世界中を旅する男性が出てきます。定職に就かず、気が済むまま行先を決め滞在時間を決める。しばられない生活をしていきます。

誰もがいいなと思える生活です。日本とは違う文化に刺激を受け、それを活かし生活する。憧れるものです。定職がすべてではない、サラリーマンが必ず良いとは限らないと考えさせられます。

コメント