生命保険で貯蓄型のタイプ(終身保険や養老保険、個人年金保険など)は未だに日本で人気があります。元本割れアレルギーの日本人にとっては、有力な選択肢の一つですが最大のデメリットは「途中解約すると元本割れ」することです。
しかし、今回紹介する日本生命の「ちょこつみ」(ニッセイ傷害保障付積立保険)はいつ解約しても元本割れすることはありません!
同じタイプに明治安田生命の「じぶんの積立」と似ており、こちらもいつ解約しても返戻率100%以上です。250万件以上の契約を突破してます。
今回は新しく登場した「ニッセイのちょこつみ」の内容を紹介しながら、「明治のじぶんの積立」とも比較していきます。
ニッセイの「ちょこつみ」はどんな保険商品?
貯蓄特化型の生命保険
一番の特色は、いつ解約しても払込保険料より返戻金が少なくならない事(元本割れしない)です。生命保険の常識として「途中解約すると元本割れする」という考えがあり、常識を覆す商品です。
明治安田生命の「じぶんの積立」がさきがけですが、国内最大手の日本生命が同種の保険を出しました。

毎月払込=積立を行い、払込期間は3年間(36か月)です。月の保険料は、3,000円、5,000円、10,000円、20,000円、30,000円から選べます。
初回保険料の払込から3年間、保険料を支払い、その後7年間保険期間が続きます。初回から10年後に満期となり、返戻率105.2%で保険金を受け取れます。利回りは0.52%なので保険商品としては悪くありません。
保険だが保険としての役割は果たせない
貯蓄にとってしているため、万が一の保障機能はほぼありません。死亡しても払い込んだ保険料がそのまま保険金として支払われるだけです。
傷害保障が付いているので、ケガや事故で死亡した場合は払込保険料×1.1で支払われますが保険金としては極めて小さいです。
「保険」という名前が付いていますが、死亡や病気などに備えるものではないことは理解しておきましょう。
保険だから生命保険料控除を受けられる
「ちょこつみ」は一般生命保険料控除の対象で、年間最大4万円の所得控除を受けられます。年に8万円以上の保険料を支払えば、一般生命保険料控除の最大枠4万円を使えます。
一回の年末調整で還付される税金はそれほど大きくはありませんが、長期間つづけると大きな額になります。以下が課税所得に対しての還付・減税となる目安です。
194万9000円まで | 5% | 2,000円 |
195万円~329万円9000円まで | 10% | 4,000円 |
330万円~694万円9000円まで | 20% | 8,000円 |
695万円~899万円9000円まで | 23% | 9,200円 |
900万円~1,799万円9000円まで | 33% | 13,200円 |
1,800万円~3,999万円9000円まで | 40% | 16,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 18,000円 |
「ちょこつみ」を利用する方は、課税所得は200万円~330万円、330万円~650万円が多いと思います。年間4,000円か8000円の減税になります。これが3年間つづくわけです。
保険の返戻率と保険料控除で受けられる減税額を合わせて計算してみます。
例;月1万円の保険料を支払う場合(課税所得は300万円を想定)
3年間の総支払保険料 36万円
10年後の満期保険金 36万円×1.052=37.872万円
3年分の減税額 4,000円×3=12,000円
37.872万円+1.2万円=39.872万円
39.872万円÷36万円=1.1075…
返戻率 110.75%!!
生命保険料控除を使うことで、実質返戻率を上げることができるのです。
明治の「じぶんの積立」との比較
比較表
ちょこつみ(日本生命) ニッセイ傷害保障付積立保険 | じぶんの積立(明治安田) 無配当災害保障付積立保険 | |
返戻率 | 105.2% | 106.3% |
払込期間 | 3年間 | 5年間 |
保険期間(満期) | 10年間 | 10年間 |
月保険料の選択 | 3,000円 5,000円 10,000円 20,000円 30,000円 | 5,000円 10,000円 15,000円 20,000円 |
傷害保障と災害保障はどうちがう?
ニッセイには傷害保障、明治安田には災害保障が付いており保障にあてはまる場合は払込保険料の1.1%の保険金が支払われます。傷害と災害のイメージは異なりますが、似た事例が給付対象です。
傷害保障はケガ、病気、熱中症、高山病、店頭などによる死亡が対象です。
災害保障は不慮の事故と感染症が対象です。なお、傷害保障に感染症は含まれません。
保障内容をみてどちらの保険にするか、決める事はないです。
ニッセイと明治安田のどっちがいい?
返戻率・受取率を重視するなら明治安田の「じぶんの積立」がいいです。また生命保険料控除を使って節税できる期間も2年長いです。
ニッセイの積立は月あたりの保険料に幅があるため、きっちりと貯金したい方に向いています。保険料を払い込む期間は3年間ですが、それが終われば別の「ちょこつみ」の契約をすればずっと保険料控除を受けながら積立ができます。
ニッセイはクレジットカード決済・口座振替が選択できますが、明治安田は口座振替のみです。そのためニッセイの積立はクレカポイントが貯まります。0.5%ほど貯まると返戻率を上げることができます。
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