株式の配当金と投資信託の分配金はなにが違う?

資産運用

将来は金融資産からうまれる配当金や分配金で暮らしたい!と一度は思った人は多いのでは。自分が働かずお金に働いてもらう不労所得ですね。やりたいことに時間を割ける夢の生活かもしれません。

そこで「配当金と分配金の違いは?」を聞かれたらみなさんは正確に答えることができるでしょうか?今回は改めて株式の配当金と投資信託の分配金を確認しながら、これからの投資生活に役に立てるような話をしたいと思います。

なお、今回はフィデリティ証券の証券口座で保有している投資信託の運用結果と合わせて紹介していきます。

似ているようで違いがある、配当金と分配金

どちらも保有している有価証券(株式や債券、投資信託、小切手など)の額に応じて支払いがあるお金です。1株につき100円の配当金、1口につき35円の分配金などがその例です。

配当金と分配金も企業の利益の一部が投資家に払われるのは共通しています。しかし、一番違うのは株価・基準価額と配当金・分配金の関係です。

これが配当金の正体です!

株式の配当金…企業の利益の一部を株主にお礼として返すお金です。1株につき○○円として計算されます。日本にはお金ではなくて物やサービスで返す場合があります。株主優待というものです!

配当金が支払われた後、少しは株価が下がりますが戻ることが多いです!

配当金の特色は支払い前後で株価があまり変化しないことだと思います。配当金は株価を構成する一つですので、支払い後はその分株価が下がります。

例;1株50円の配当金 100株10,000円→(支払い後)→100株9,500円

株価は500円下がりましたが、この9,500円という株価を投資家はどう見るかです。もしその企業が優良で割安と投資家が判断すれば”買い”につながります。

その結果、9,500円だった株価は”買い”のために株価が上昇します。このように株式の場合は配当金の支払い後も株価が戻ることがあります。

これが分配金の正体だ!

投資信託の分配金…投資信託の収益から投資家に戻されるお金です。投資信託の運用会社が支払い、時期や金額を決めます。1口につき○○円として計算されます。

分配金が支払われた後、必ず基準価額(株価のようなもの)は下がります!

分配金は支払い後、必ず基準価額が下がりますイメージは預金の金利ではなく、資産の切り崩しです。なお、投資信託の損益に関係なく分配されるものもあります。

例;1口35円の分配金 10口10,000円→(支払い後)→9,650円

投資信託の場合はこのように基準価額が下がります。その後、すぐに価額が上昇するということもありません。投資信託の売買はリアルタイムで価格は変動しません。1日1回値動きをするだけです。

なお、分配金の種類は2種類あります。「普通分配金」「特別分配金(元本払戻金)」です。

普通分配金は、分配後の基準価額が取得時のものより大きいときの分配金です。値上がりにより利益がある場合です。利益が出ているので普通分配金には税金がかかります。(約20%)

特別分配金(元本払戻金)は、分配後の基準価額が取得時のものより小さい時の分配金です。値下がりにより損失がある場合です。損失が出ているので当然税金はかかりません。

投資信託の運用と分配金を紹介!

次に保有している投資信託の運用実績と分配金履歴を見ていきたいと思います。

投信は「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」です。これはアメリカを中心としたリートです。不動産投信で一般的な投資信託と少しは違いますがご了承を。年に12回決算を行い分配金を支払います

分配金の合計は2020年5月から2021年4月までの1年分です。1年間の分配金合計は179,135円です。投資信託の資産合計は1,558,652円(2021年5月13日時点)ですので、分配金の割合は

179,135円÷1,558,652円×100=約11.5%

かなり高い割合で分配金の支払いをしているのが分かります。なお分配金は再投資しているので、支払いにより元本が減ることはありません。

また分配金の内訳を見てもらうと、ほとんど元本払戻金になっていることが分かります。分配金の大きさに対して税額が小さいのはそのためです。

投資に対して利益は+4~5%ほどです。

まったく違う、配当金と分配金

フィデリティ証券で保有している投信で見たように分配金の割合は高いです。再投資を選んでいなかった場合は元本がどんどん減っていきます。分配金で不労所得を得るというのは長続きしません

一方、株式の場合は配当金を出しても株価はそれほど変化しないので資産が長続きする可能性があります

だからFIREなどのような不労所得で生活を考えている人は株式投資が良い、ということになります!

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