【行動経済学】は心理学+経済学 新しい学問
行動経済学は人間の心理と行動を結んだ学問です。特にお金にかかわる行動に生かされています。マーケティングや企業戦略、広報など幅広い分野で活用されています。
比較的新しい学問なので、これから研究がさらに進むことが予想されます。
サクッとわかる ビジネス教養 行動経\済学(新星出版社)を参考にしています。
プロスペクト理論が意思決定のプロセスを示している!
行動経済学では「プロスペクト理論」で人間の意思決定の段階を説明しています。行動を起こすまでのプロセスを見ていくと、人間はいかに主観や状況に影響を受けるのか分かります。
行動を起こす前に起こった「前処理」
バイトをして稼いだ10万円と宝くじで当たった10万円は「同じ10万円」です。しかし、苦労して手に入れたものは手放しづらく、安易に手にしたものはすぐに手から離れます。
行動を選択する前の、「どのようにして10万円を手にしたか」が「前処理」に当たります。この前処理は、その後の行動に影響を与えることになります。
「ハウスマネー効果」…苦労して手にしたお金よりも、運で手にしたお金の方が無駄遣いしやすい傾向があること。
損得の感じ方をグラフへ「価値関数」
行動を選ぶ時に、人間は自分なりに選択を評価します。損得と感じ方をグラフ化したものが「価値関数」です。
10万円を拾った時と10万円を失くした時に感じる大きさは違います。拾ったは+10、失ったは-10とはならないのです。
人間は「嬉しさよりも悲しみの方が重く感じる」と言われています。嬉しさ1.0を感じると、悲しさは2.25感じます。
10万円を拾って1.0嬉しく感じ、10万円を失うと2.25悲しく感じるのです。
得をする時はリスク回避性になる…「絶対もらえる」を選択することが多い
損をしている時はリスク志向性になる…パチンコで負けていると、負けを取り返そうとする
確率と感じ方は違う「確率加重関数」
人間は確率を正確にとらえるのが苦手なようです。わずかな可能性に過大な期待をかけたり、可能性が高いのに軽視したりします。
1億円の宝くじが当たる確率は、500万分の1です。限りなく0に近い%ですが、淡い期待をしてしまいます。低い確率を過大評価することになります。
逆に99%で手術は成功すると言われても、1%がどうしても気になってしまいます。ほぼ確実に成功するのに、確率を過小評価することになるのです。
確率約35%の時、主観と客観が一致すると言われています。それ以外は過大評価か過小評価することになります。
日常で使える「プロスペクト理論」
前処理では「金額」に注目する!
どのようにしてお金を手に入れたのか、これは判断や行動に大きな影響を与えます。苦労して稼いだお金よりも、楽して手にしたお金のほうが浪費しやすいです。
しかし、貨幣の価値としてはどちらも同じです。どのようにして手にしたかよりも、「金額」に注目すべきです。「どれぐらいの価格か」が大きな判断材料です。
損に敏感すぎて最後は大損する!
「今買わないともう売り切れます」「今解約すると元本割れします」など”損失”をイメージさせる言葉に人間は敏感です。営業する人もそれを理解した上で、営業トークをしている点は知っておく必要があります。
終身保険は払込期間を20年から30年経ないと元本割れすることが多いです。しかし、元本割れを防げても多額の資金がもたらしたであろう利益の「機会損失」は受けています。
投資の損失が出るとリスクを大きくとる!
投資では常にリスクの管理が必要です。投資をはじめる時は、自分のリスク許容度を考えながら投資アセットを決めます。
投資で損失が出ると当初のリスク許容度を無視して、リスクを大きく取りがちです。損失を挽回しようとする考えが大きくなるためです。
投資ストーリーが思うようにいかず、損失を拡大させることはよくある話です。”初心に帰る”のはどの世界でも大切な考えです。
まだまだ使える【行動経済学】!!
私たちはどうしてこのような行動をとるのか?その問いに答えるのが、行動経済学です。正しいと分かっていても、合理的な行動をとれない場合があります。
完璧な無理にしても無駄のない選択を人生で繰り返ししていきたいですね。
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