投資信託を買付する時、保有コストである「信託報酬」を確認することは当たり前となりました。インデックスファンドは、連動する指数とほぼ同じ値動きをするため低コストの方がいいです。
しかし、年間コストは信託報酬以外にもかかるのを知っていましたか?その他費用などファンドにより名目は違います。2023年4月29日付の日経新聞記事から興味深いものを見つけました。
信託報酬は0.9%なのに年間経費率が16%超…ラップファンドで運用される先進国債券ファンドは、信託報酬0.2%だが年間経費率は12%など…信託報酬以外の経費がかさみ、とてつもないコストを払っているファンドの記事。
今回は投資信託の中身や経費を調べる方法を解説します。信託報酬以外にもコストが発生しており、その確認法も書きます。
インデックスファンドはコストで選べ!
信託報酬以外にも保有コストは発生している
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬は現在、年率0.1144%(2023年5月11日より0.1133%)です。日割り計算で毎日、保有している投資信託から引かれています。
しかし、信託報酬以外にも引かれているものがあります。「交付運用報告書」を見ると、売買委託手数料0.007%・有価証券取引税0.012%・その他費用0.037%の費用が発生しています。
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オルカンの総経費率は0.15%と記されています。これが本当の運用コストです。オルカンの場合は信託報酬と大きく離れていませんが、ファンドにより違います。
日興のオルカンでも信託報酬以外の費用が話題に
投資信託(インデックスファンド)で人気があるのは、米国株S&P500か全世界株オール・カントリーの2つです。投資家の中で「どちらを選ぶべきか?」論争は未だに続いています。
全世界オルカンに新しいファンドが加わり、超低コストが話題になりました。日興AMの「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」(通称トレカン)です。信託報酬0.0577%と、同類ファンドの中で群を抜いて安いです!
しかし、同業他社からは「信託報酬に指数ライセンス料が含まれていない」と指摘されています。「MCSIオール・カントリー・インデックス」はモルガンスタンレーが算出している指数のため、ファンド名に使うと必ずライセンス料を払う必要があります。
ファンドのコストに注目を集めた「トレカン」となりました。
投資信託の中身を調べる方法
証券会社や運用会社で交付している資料
証券会社のウェブを見ると、投資信託に関わる資料が多数貼り付けてあります。目論見書や報告書など投資初心者の方によっては気が遠くなるもの…
まずは交付目論見書でファンドの特色を確認!
投資信託を選ぶ時は「交付目論見書」を見れば、必要な情報はほぼつかめます。確認したい内容は以下の通り。
- 投資先と投資の割合(例;米国に62%、日本に5%等)
先進国のみ、新興国を含む、日本を含む、不動産を含む、債券を含むなど
値動きを安定させてい場合は、複数の資産を入れた方がよい - 純資産の大きさと分配金の有無
資産規模が小さいと償還リスクがあり、途中で強制換金となることも
分配金がほしいなら有タイプ、複利効果を高めたいなら無タイプ - ファンドの費用と手数料や税金
インデックスファンドは低コストのものを選ぶ
さらにどんな銘柄にどれだけ投資しているか、などを知りたければ「請求目論見書」を見て詳細を確認できます。
運用報告書で真のコストが判明します!
信託報酬は買う前に分かっていますが、その他の経費については運用と分からないことがあります。年に1回交付される、運用報告書では売買委託手数料や有価証券取引税などを「その他費用」として示されています。
オルカンの費用は大きく運用管理費用(信託報酬)が占めますが、その他費用の存在も知っておきましょう。またファンドの騰落に関わる要因が記述されます。読むことで経済のようすが理解できます。
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