資産運用と言えば「不動産投資」を思い浮かべますが、土地と建物は多額の資金が必要です。しかし、「不動産投資信託」、REIT(リート)なら少額から投資ができます。自分の身の丈にあった不動産投資をスタートすることができます。
今回は不動産に投資をする、不動産投資信託(REIT)のしくみと特色について書きます。またREITででの投資をおすすめする人はこんなタイプだ、というのも紹介します。
REIT(不動産投資信託)とは何か?
不動産を投資対象にした投信・ファンド
株式や債券に投資する投資信託と同じで、REITは投資の対象が不動産です。不動産もさまざまなタイプがあり、住宅や物流倉庫、病院などがあります。投資する不動産のタイプによって、値動きや分配金などの違いがあります。
どのような不動産に投資をするのか
主な投資対象の不動産はつぎのとおりです。
- 住宅
- ホテル
- 物流施設
- 商業施設
- オフィスビル
- 福祉・医療施設
不動産によって景気の影響を受けやすいものがあります。ホテルは不景気になると宿泊する人が減ります。逆に、不景気になっても住宅は利用されるのであまり賃料が減ることはありません。
(受けやすい) (受けにくい)
ホテル→商業施設→オフィスビル→物流施設→福祉・医療施設→住宅
このように不動産によって景気の影響を受けるので、投資のねらいに応じた不動産を選ぶ必要があります。安定を求めるなら「住宅」、収益の高さを求めるなら「ホテル」や「商業施設」です。
REITの一番の魅力は、高い分配金利回り!
REITの魅力は何といっても、高い分配金利回りです!平均3%~5%の利回りと、高いです。(株式なら3%を超えると高配当株と呼ばれます。)
なぜ高い分配金を出せるのでしょうか?REITは不動産投資法人というものをつくり、不動産に投資を行います。地代や賃料として法人に入ってきた現金は、投資主に分配金として配当されます。その時、配当可能は金額のうち90%以上を分配するなら法人税がかからないという特例があります。
そのためREITは高い分配金利回りになるわけです。分配金を出すときに、法人税がかからない分法人は資金を有効的に活用していると言えます。
実不動産とREITのちがい
住宅やアパートなどに不動産投資する場合とREITでの投資は何がちがうのでしょうか?簡単な表をまとめてみました。
実不動産 | REIT | |
多額 | 必要な資金 | 少額から可能 |
できる | 借り入れ | できない |
換金までに時間がかかる | 流動性 | すぐに換金できる |
複数の物件を買うしかない | 分散性 | 複数に投資しているタイプがある |
管理会社を使えば不必要 | 労力 | 不必要 |
必要不可欠 | 専門知識 | それほどいらない |
実不動産はハードアセットメントで、REITはペーパーアセットメントです。そのため、それぞれに一長一短があります。投資を決める場合は、2つの利点についてよく知る必要があります。
REITをおすすめする人はこんな人!
少額から不動産投資をしたい人!
投資信託タイプのREITなら、数百円から買付が可能です。自分の予算に合わせた投資が可能です。中古戸建てを買う場合でも500万円以上は必要になります。
少ない資金で不動産投資ができる、高い分配金利回りを手にすることができるのは魅力です。
高い分配金を将来、使いたい人!
REITは投資法人の性格上、分配金を多く出すために利回りが高いです。将来、まとまった資金をREITに投資し分配金を手にすることで生活を楽にする、家計の足しにすると考えている人におすすめできます。
しかし、投資信託であるREITは分配金を出すごとに基準価額が下がります。投資元本の一部を投資主に返還していることと同じです。元本が減っていくのは投資として効率が悪いです。
おすすめは、分配金を使う時期までは「分配金の再投資コース」を選ぶことです。これならば元本の減少を抑えつつ、資産を増やしていくことができます。
株式・債券以外の資産を持ちたい人!
株式や債券などと異なる値動きをする資産を持つことで、リスク分散をはかることができます。株式のような激しい値動きをすることも少ないです。
REITをするなら米国REITを検討!
全世界の50%以上は米国へ投資するREITです。また日本は人口の減少があるために、将来は地価の下落が予想されますが米国は人口が増えます。
そのため米国では土地や住宅などの需要が高まる、と考えるのは当然だと思います。加えて米国ではインフレがしやすいです。建物や地価などはインフレに影響を受けるので、家賃収入の増大が期待できますね。
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