【東証ETF】米国ETFを国内で買い付けるメリットとデメリット

資産運用

投資の勉強をしていくと、S&P500などの米国株ETFを東証での買付ができることを知ります。日本で買う場合と米国で買う場合の違いなど、分からないことが出てきます。

米国ETFを東証で買付可能なものがある

代表的な株価指数S&P500やNASDAQ100に連動しているETFと言えば、「VOO」「QQQ」が有名です。これらは、外国株式証券口座を開き円をドルに換え、買い付けます。

東証にS&P500やNASDAQ100に連動しているETFがあるのをご存じですか?ティッカーシンボルはVOO、QQQではありませんが同様のETFが上場しています。

管理会社は世界的な運用会社、ブラック・ロックやステート・ストリートですのでエセ商品ということもなく本物です!

では、米国市場で買えばいいのか?東証で買えばいいのか?となります。今回は東証で米国ETFを買い付ける、メリット・デメリットを中心に解説していきます。

東証で買付ができる米国ETF

S&P500

米国への投資をするETFの中で、もっとも本数が多いのがS&P500に連動するものです。国内大手証券や外資系運用会社もETFを上場させています。

円ヘッジをしているものもあります。そのヘッジタイプになると少しコストが上がります。平均としては、年0.1%ほどの信託報酬とインデックス・ファンド程度のコストになります。

NASDAQ100

GAFAMの比重が高い、NASDAQ100に連動したETFも上場しています。野村、日興、三菱UFJの国内大手が管理・設定しています。

米国市場で買うQQQの信託報酬は年0.2%ほどですが、東証のNASDAQ100連動ETFは0.2%~0.4%ほどなので差はほとんどありません。

先進国

MSCIワールド、MSCI-KOKUSAI(日本を除く)に連動したETFが上場しています。日本株を含むのか選べますので、投資方針にあったETFが選べます。

先進国に投資する場合でも米国の比重は高めで、世界中に分散投資することができます。

新興国

MSCIエマージングに連動したものです。中国や台湾、韓国などに投資します。世界的に有名な企業の比重が大きくなります。

以前の新興国への投資信託は、非常に信託報酬が高めでした。今では年0.2%程度と安くなっており投資する選択肢が広がりました。

全世界

MSCI-ACWIに連動するETFです。全世界に投資する場合でも米国の割合は60%程度になります。新興国の割合は10%~15%ほどになります。

世界中に分散投資ができるので、分散の極みと言えるでしょう。

東証で買付するメリット

両替する必要がない

東証に上場しているので、円で買付ができます。両替の必要がない=手間がかからない、というのは一番の利点になります。両替をする時、どうしても為替(円高か円安か)を気にしてしまいます。その両替が不要なので、精神的にも優しいです。

外国税額控除が不要

日本では配当や利子などに対して約20%の課税がかかります。米国の場合は合計約28%の課税になります。

米国→日本での課税

例;米国ETF(米国市場)で配当金100万円が出た
 (米国)100万円←10%課税【10万円納税】
    ↓
 (日本)90万円←20%課税【18万円納税】
結果、100万円のうち28万円を納税しました。米国と日本での【二重課税】です。

二重課税になるために、確定申告を行うと米国で納めた税金の一部を還付してもらえます

東証で米国株ETFを買い付けると、この確定申告が不要になります。管理会社が税金の課税調整をしてくれるためです。確定申告に毎年行くのは手間ですが、不要なので時間が生まれます。

外国株式証券口座が不要

海外の株式やETFを買付するには、外国株取引口座、証券口座の開設が必要です。東証に上場しているものは、すべて国内株・ETFになるので口座の開設は不要です。

外国口座の開設はすぐにできますが、口座をまとめて日本株と米国ETFの管理ができるので便利です。

東証で買付するデメリット

信託報酬が少し高い

東証の米国ETFを買う場合、円をドルに換える必要はありません。それは、代わりに管理会社が行っているからです。そのため為替手数料が信託報酬に加わるために、米国ETFを米国市場で買う時に比べて高くなることが多いです。

東証のiシェアーズSP500の信託報酬は、0.0825%

日本取引所(JPX)より

米国ETF IVVの信託報酬は、0.03%米国ETFの方が0.05%ほどコストが低いですね。

モーニングスターより

ETFの種類が少ない

東証で米国や海外に投資できるETFの本数は少ないです。S&P500やNASDAQ100、MSCI ACWIなど有名な株価指数に連動しているものはあります。

しかし、米国市場の一般消費財セクターに投資するETFや情報技術セクターのETFなどはありません。自分の思い描いたトッピングをするには、米国ETFを米国で買い付ける必要があります。

為替ヘッジをするとリターンが小さい

東証の外国株ETFには、円ヘッジをしているものがあります。為替による損失をやわらげるものです。円高にふれてしまうと、株価が下がってしまうからです。

為替リスクはプラスに働くこともあります。円安になると株価が上昇するので、リターンが増えます。しかし、ヘッジをすることでリターンは小さくなってしまいます。

東証で買う?米国市場で買う?

東証で米国ETFをおすすめする人

  • 円をドルに換える手間がおしい人
  • 確定申告に毎年行きたくない人、いけない人
  • S&P500やNASDAQ100に連動するETFだけに投資する人 など

米国で米国ETFをおすすめする人

  • コストを最小限に抑えたい人
  • 米国のセクター別に投資をしたい人
  • 為替を見ながらお得にドルに替えたい人

S&P500やNASDAQ100に連動するETFなら東証のETFで!

今回は、東証に上場している米国株ETFなどを見てきました。米国株ETFの一番のデメリットは税金の高さです。NISAで買い付けている人ならいいですが、特定口座の人は東証で買った方がいいと思いますよ!

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