「楽天・全世界株式・インデックス・ファンド」は米国ETFに投資することで、全世界の約8,000銘柄に投資するものです。これまでは米国ETF「VT」のみに投資をしていましたが、新たに「VTI」(全米株式)と「VXUS」(米国株式をのぞく全世界株式)が加わります。
今回はVTに2つの米国ETFを加えることで、投資家にどのようなメリットがあるのか解説します。
構成銘柄を加えても、結果はVTと同じようになる!
今まではVTに投資をしていましたが、これからはVT・VTI・VXUSの3つに投資していきます。複数のETFで構成されますが、投資する銘柄(企業)は変わりません。
全世界株式のうち約6割は米国株式で構成されています。よって、VTI6:VXUS4の割合で投資をする限りVT(全世界株式)と同じ構成比率となります。
では、なぜわざわざ分けて米国ETFに投資をするのか…
最大のメリットはコストが下がること
米国ETFを買付する時に、気になるコスト・手数料は「買付手数料と管理費用(信託報酬等)」です。買付手数料は無料になるETFが多いです。管理費用は長期投資する場合は、リターンの大きさに直結します。
VTは8,000以上の銘柄に投資をするため経費率が高めです。その点、VOO(S&P500)やVTIなどは0.03%と最安です。
米国ETFの種類 | 経費率 |
VT | 0.07% |
VTI | 0.03% |
VXUS | 0.07% |
VTI6:VXUS4の割合で投資をすると、経費率はどうなるのでしょうか?
投資するETFにかかる経理率は合算で0.046%になりました。VTだけだと0.07%かかるので、低コスト化していることが分かります。
楽天投信投資顧問はプレスリリースでも、将来的には投資家が負担する費用を引き下げたいと言っています。
現在、投資信託「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の信託報酬(年間コスト)は0.202%です。今後、コストが下がることを期待したいですね。
複数のETFを入れた方がコストが下がることも
同様に複数のETFで構成する方がコストが下がることがあります。「SBI・全世界株式インデックスファンド(愛称:雪だるま全世界株式)」が有名です。
「全米株式+先進国株式(米国除く)+新興国株式」
で構成されており、比率もVTと同じようになっています。管理費用は破格の0.1102%です!投資信託ですが、本家米国ETFのVTとコストはあまり変わりません。
SBIの「SBI・V・全世界株式」への対抗
なぜ楽天はVTにVTIなど複数のETFを加えたのか。それは同類ファンドである、SBI・V・全世界株式との競争です。eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は小型株を含まないため、同類ではありません。
信託報酬(管理費用)は0.14%程度とかなりの低コストです!楽天VTとは大きな差を開けてしまったわけです。楽天とSBIはよく比べられるため、コストを下がる必要性がありました。
常に情報収集を行い、投資環境を知りましょう
今回は楽天・全世界株式の変更点をお伝えしました。米国ETF「VT」に加えて、「VTI」「VXUS」を入れることでコストを抑える狙いがあります。
いつも金融商品や証券会社のキャンペーンなど、最新の情報を入手しておきたいところです。情報には敏感でありたいですね!
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