投資のプロにすべてもお任せする「ファンドラップ」はこの5年間で、資産12兆円を集めています。5年間で資産が倍増しました。しかし、プロが運用しても成果が伴わないことがあります。また手数料は毎年かかります。
今回はファンドラップの特色とバランス型投資信託の比較をしていきます。バランス型投資信託はファンドラップと似たような性格を持っています。
ファンドラップとはすべて専門家に任せるプラン
特色は投資への手間がいらない+手数料の高さ
ファンドラップを開設する人は、金融機関の運用担当とヒアリングを行います。なぜ投資をするのか?投資資金の用途、リスク許容度など聞き取った上で、投資先や資産の配分を決定します。
当然、金融のプロに任せる訳ですから手数料が発生します。残高に対して1%~3%の手数料が年間にかかると言われています。これは運用実績がプラスでも、マイナスでも発生します。人を動かすにはお金が必要となります。
加えて金融商品自体にかかる手数料も負担します。購入時手数料、信託報酬、売却時手数料などコストが発生します。
資産運用をする中で、コストがどれだけかかるのか?というのは大切な問題です。それだけ運用実績に直結するからです。
プロが運用=利益が大きくなる、ではない!
2021年11月23日の朝日新聞朝刊に掲載された記事の内容です。ファンドラップを手がける主要12社の運用実績は、バランス型投資信託の成果を下回るものがほとんどでした。
高い手数料を払ってもえられる成果は、ほとんど自動でやってくれるバランス型投信より低いことが多いです。バランス型を越える成果を出せたのは1社のみです。
なぜ高い手数料を払ってファンドラップを開設したのか?と感じてしまう人もいるでしょう。
ファンドラップを作った人の中には、「専門家に任せれば多く資産が増える」「運用実績が出ないと会社の名前に傷がつくから頑張ってくれるはずだ」「高い手数料を払うからリターンも大きい」と考えた人もいます。
金融の世界は頑張り次第で、株価や債券の価格が上がりますか?金や商品先物の価格が上がりますか?冷静に考えれば、まったく結びつかないことが分かります。
手数料を上回る成果を目指す=リスクが上がる
ファンドラップの平均的な手数料は合算して2%~3%ほどと考えられます。逆を言えば、年利3%以上を目指さないと投資元本が減っていくことになります。
比較的値動きの小さい、安全性が高いと言われている債券(国債、地方債、社債など)の年利は1%~2%ほどです。これでは足りず、さらにリスクを取ることが求められます。
日本株式や外国株式を組み入れることでリターンを求めますが、リスク(投資元本が減ること)も大きくなります。
リターンと求めることで、成果が大きく出る年と損失が大きく出る年が出てきます。ファンドラップはそのような性質であることを知っておく必要があります。
投資信託も手間いらず
ファンドラップに似た投資信託があります。投資信託自体、”信託”と付いているので投資を任せていますが、その中に「バランス型投資信託(ファンド)」というものがあります。
買付の時だけ、どのファンドにするのか決める必要がありますが後はお任せになります。ほっておくだけです。最大の特色は、コストの低さです!年0.3%ほどで運用ができます。
バランス型投資信託には多くの種類がありますが、自分の考えに近いものを選ぶことができます。
安定性を求めるなら、債券の割合を高く・投資先を多くします。債券の割合70%のものを選ぶ、株式や債券、不動産など含んでいるものを選ぶです。
収益の大きさを求めるなら、逆に株式の割合を高く・投資先を少なくします。今なら米国株の割合を高めるべきでしょう。
バランス型投資信託の良いところは、「いつでも平均点狙いの運用成績」が取れることです。毎年、どの投資先の実績が上がるのか予想できません。その点、バランス型は多くの資産に投資をするので「平均点」になることが多いです。
投資先に正解はないが、コストの意識は持ちましょう
今回は、ファンドラップの特色とバランス型投資信託を見ていきました。ファンドラップの手数料の高さについて、金融庁が警戒しています。実績と手数料が合っていないからです。
その点、バランス型投信ならコストも抑えられます。成果も同じようになるものが多いです。投資は長期間、行うことが多いので毎年かかる手数料の意識は忘れてはいけません。
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