個別銘柄で投資をする時、銘柄選びは時間と労力を使います。時間をかけるだけ投資成果が上がるというわけでもありません…
もし銘柄選びに迷っているなら「ダウの犬」戦略はどうですか?シンプルですが、実に理にかなっている投資手法です。ダウと言えば、アメリカの株価指数ですが、今回は日本株で試みました!
「ダウの犬」とはどんな手法?シンプルさ、リバランス
「ダウの犬」投資手法はアメリカで誕生
米国株では「ダウの犬」と呼ばれる投資手法があります。ダウとはダウ工業株30種平均のことで、ニュースなどで「ダウ平均」と呼ばれていますね。ダウ平均(インデックス)に勝とうとして誕生したのが「ダウの犬」手法です。
- ダウの構成銘柄30の「配当利回り」を高い順に並べる。
- 高い利回りから10銘柄を均等金額で買い付ける。
- 1年経って、再度利回り上位10銘柄を資産に組み入れる。(ランク外は売却)
利回りに注目=割安株に投資をする
高配当株=割安株(バリュー株)です。割安なので、値上がりが期待できます。また大型成熟企業であるため、配当金も安定する傾向があります。配当金を再投資すればさらにパフォーマンスが向上します。
2023年2月末時点で、米国株「ダウの犬」戦略を行うと銘柄は以下のようになります。
VZ | ベライゾン・コミュニケーションズ | 6.80% | 通信サービス |
MMM | スリー・エム | 5.72% | 素材 |
WBA | ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス | 5.49% | ヘルスケア |
DOW | ダウ | 4.92% | サービス |
IBM | IBM | 4.85% | 情報技術 |
INTC | インテル | 4.65% | 情報技術 |
CVX | シェブロン | 3.70% | エネルギー資源 |
AMGN | アムジェン | 3.62% | ヘルスケア |
CSCO | シスコ・システムズ | 3.17% | 情報技術 |
KO | コカ・コーラ | 3.02% | 一般消費財 |
ベライゾンからコカ・コーラまでの高配当配当銘柄を買い付けます。もし均等に買付をすると、予想配当利回りは4.594%になります。SPYDの利回りを超えています。
TOPIXコア30でやるか?TOPIX100でやるか?
では、今回の本題は日本株「ダウの犬」投資戦略です!ダウ平均と日本で近い存在は、「TOPIXコア30」がまず上がります。日本株の中で時価総額が多いものを並べた、超大型株ベスト30です。
関連記事:【東証ETF】業種別ETF「TOPIX‐17」で自己流ETFを作る!セクター別投資のすすめ
TOPIXコア30で「ダウの犬」戦略!
コア30の中で配当利回りが大きいものを順番に並べます。日本たばこ産業から以下の通りになります。
2914 | 日本たばこ産業 | 6.72% | 食品 |
9434 | ソフトバンク | 5.59% | 通信サービス |
4502 | 武田薬品工業 | 4.28% | 医薬品 |
7974 | 任天堂 | 3.83% | その他製品 |
8411 | みずほFG | 3.82% | 銀行 |
8316 | 三井住友FG | 3.59% | 銀行 |
7267 | 本田技研工業 | 3.41% | 輸送用機器 |
8058 | 三菱商事 | 3.19% | 卸売業 |
9433 | KDDI | 3.10% | 通信サービス |
8035 | 東京エレクトロン | 2.94% | 電気機器 |
銘柄は自動的に決まりますが、投資予算は均等に投資をするため購入する株数を調整します。10銘柄の中では東京エレクトロンが1株47,770円するので、他銘柄の株数を多くします。
コア30を使って日本株「ダウの犬」をすると、最低50万円ほどの資金で投資が可能です。投資額を下げたければ、値がさ株の東京エレクトロンを外せばいいです。利回りでは、東京海上HDや三菱UFJ HDが時点になります。
TOPIX100で「ダウの犬」戦略!
日本株の大型株は100です。TOPIX100から上位10を選んで、「ダウの犬」戦略をするとどうなるでしょうか。
9101 | 日本郵船 | 13.44% | 海運業 |
2914 | 日本たばこ産業 | 6.72% | 食品 |
5713 | 住友金属鉱山 | 5.87% | 鉄鋼 |
9434 | ソフトバンク | 5.59% | 通信サービス |
5401 | 日本製鉄 | 5.21% | 鉄鋼 |
6502 | 東芝 | 5.17% | 電気機器 |
5020 | ENEOS HLDG | 4.74% | 石油 |
8053 | 住友商事 | 4.65% | 卸売業 |
4502 | 武田薬品工業 | 4.28% | 医薬品 |
6178 | 日本郵政 | 4.18% | サービス |
特需的に配当が増えている日本郵船を筆頭に、業種もバランスよく散らばっています。利回りも全体的に高めとなりました。
10銘柄に対して約50,000円の買い付けになるように、調整したものが下の表です。1株の価格が高くないので微調整が可能です。
配当利回りは驚異の約6%です!!利回りやリバランスのやりやすさを重視するなら、TOPIX100で「ダウの犬」がおすすめです。
日本株「ダウの犬」で安定的に資産運用を!
今回、日本株で「ダウの犬」投資戦略を考えてみました。スクリーニングをしながら感じた、メリットを挙げます。
超大型株・大型株で組むから値動きが安定しやすい
TOPIXコア30は純資産総額の多いものから選ばれており、純資産が大きいと値動きが安定しやすいです。ボラティリティのやや小さく、割安なので値上がりを期待することになります。
また国内市場で流動性の高いので、1年に一度のリバランスも行いやすいです。
1年ごとにリバランスをするから業種はあまり関係ない
長期投資をする場合は、業種・セクターのバランスを考えながら組みます。好況や不況を想定して、業種が偏らないようにしますが、「ダウの犬」では不要です。
「ダウの犬」では、1年ごとにリバランスをするため長期目線の銘柄選定は不要です。配当は変わらず、株価が下がれば相対的に利回りは上がり、組入れます。
配当が下がる・配当がなくなる(=業績がよくない)、と銘柄は組入れません。銘柄を選ぶ考えは、シンプルですが理にかなっています。
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