2022年は特に米国グロース株の落ち込みが目立ちました。NASDAQ100を中心とする下落率は約40%でしたが、これを底値と見る動きもあります。そして米国の利上げも緩やかになるとの見方から、グロース株には好材料が集まっています。
前回は米国バリュー株ETF(VTV)を紹介しましたが、今回はバンガード・米国グロースETF【VUG】の特色と活用を書きます。
グロースとバリューのどちらが良い?というものではなく、自分の投資方針に合うものを捜す勉強をしていきましょう!
「VUG」は「QQQ」と似ている大型株グロースETF
現在はテクノロジー・セクターが40%超を占めるETF
「VUG」(バンガード・米国グロースETF)は、VTV(バリューETF)と対をなします。構成銘柄数は約250~300で、米国市場で成長が期待される銘柄に投資をします。
現在は当然、GAFAMなどのハイテク銘柄が大きなウエイトを占めいています。今後新しいセクターや他銘柄に成長性が見込まれれば、構成割合は見直しされます=長期投資に向いています!
名称 | バンガード・米国グロースETF |
ティッカー | VUG |
カテゴリー | 米国大型グロース株 |
連動指数 | CRSP USラージキャップ・グロース・インデックス |
経費率 | 0.04% |
直近利回り | 0.77%(年4回分配の支払い) |
設定日 | 2004年1月30日 |
ハイテク銘柄が多いETFと言えば「QQQ」です。新興市場のNASDAQ100に連動するETFで、GAFAMの比率が40%弱となっています。QQQとの比較は後述します。
「VUG」の組入銘柄・セクター比率は?
テクノロジーの割合「45.50%」が目を引きますが、全体的な印象としては幅広いセクターに分散している感じがします。ヘルスケアや製造・物流が入っています。

個別銘柄では、GAFAMの割合が非常に高いです。連動する指数が”加重平均”なので、銘柄の時価総額が影響を与えます。
組入銘柄 | 構成比 | セクター |
アップル | 12.58% | テクノロジー |
マイクロソフト | 10.65% | テクノロジー |
アマゾン | 5.16% | 一般消費財 |
アルファベット・クラスA | 3.40% | コミュニケーション |
アルファベット・クラスC | 2.98% | コミュニケーション |
テスラ | 2.68% | 一般消費財 |
エヌビディア | 2.63% | テクノロジー |
ビザ・クラスA | 2.09% | テクノロジー |
ホームデポ | 1.91% | 一般消費財 |
マスターカード・クラスA | 1.83% | テクノロジー |
「QQQ」と「VUG」の主な違いは?
QQQと「VUG」はテクノロジー・セクターの比率が高いので、非常に同じような値動きをします。QQQは金融、不動産の比率が特に低いです。VUGのセクター比率はこちらから。

主に3つのセクターに集中投資しているのがQQQです。NASDAQ市場の上位100銘柄を集めた、「NASDAQ100」に連動するしくみです。NASDAQは新興企業が主に上場するので、比較的新しい企業が集まります。

上の図はVUGとQQQを比較したチャートです。5年間のリターンを見た時、VUGはプラス57.37%、QQQはプラス74.97%で、17%ほどQQQが勝っています。
しかし、2年間のリターンで比較した場合大差はありませんでした。VUGの方が値動きが少しだけマイルドです。
「VUG」+「VTV」の活用方法とリバランス
CRSP USラージキャップは全体で600銘柄で構成されています。ラージキャップ・グロースは約300、バリューは約350と重複している銘柄があります。グロースかバリューか?という論争は長く続きますが、どちらが優れているという結論は出ません。
長期投資をしてリターンを狙うなら「VUG(グロース)」、安定させながら配当金を手にしたいなら「VTV(バリュー)」になります。
個人の投資的な判断によって、投資先は当然違います。2本のETFを比率を変えながら投資することもありえます。
「VUG」と「VTV」とのチャート比較
5年間で比較した時は、グロースの方がプラス30%以上勝っています。長期投資する場合はリターンでバリューを圧倒することが多いです。

2年間のチャートで見た場合はバリューが良好です。大きな値下がりをしませんでした。

「VUG」と「VTV」を合わせるならリバランスがおすすめ
グロースとバリューのETFをそれぞれ購入する時は、保有比率を決めておくのがいいでしょう。リバランスする時の基準になります。
グロース(VUG)7 : バリュー(VTV)3
グロースとバリューは補完する性質を持っていることが多いので、合わせ持つことはいい手法と思えます。グロースが値下がりすれば、バリューが値上がりすることもあります。
グロースが値上がりした、バリューが値下がりした
グロース9 : バリュー1(グロースは過熱ぎみ、バリューは割安)
↓ リバランス(高いグロースを売り、安いバリューを買う)
グロース7 : バリュー3
グロースが値下がり、バリューは値上がりすると…
結果としてグロースを利確、バリューで含み益を持てる!
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