投資信託と株式の両方の性質をもつ「ETF」。東証(東京証券取引所)に多くのファンドが上場していますが、9月から国内初のアクティブETFが登場します。
アクティブETFとは?今までのETFと何が違う?と疑問に思う方も多いでしょう。今回は、投資業界の大きな話題「アクティブETF」について解説していきます!
2023年9月にアクティブETFが6本登場!
運用会社3社から合計6本のETFが登場します。アクティブ型投資信託より、中身が分かりやすく投信よりコストが低いです。
野村アセットマネジメント
名称 | NEXT FUNDS 日本成長株アクティブ上場投信 | NEXT FUNDS 日本高配当株アクティブ上場投信 |
証券コード | 2083 | 2084 |
ベンチマーク | TOPIX(配当込み) | TOPIX(配当込み) |
組入銘柄数 | 60~80銘柄程度 | 100銘柄程度 |
信託報酬 | 0.6875%(年率) | 0.5225%(年率) |
売買単位 | 1口 | 1口 |
決算 | 2回(1月、7月) | 4回(1月、4月、7月、10月) |
野村アセット(NEXT FUNDS)から日本成長株と日本高配当株の2本が出されます。いわゆるグロース株とバリュー株のETFです。株式投資対象としてメジャーなカテゴリです。
日本成長株アクティブ上場投信は、高ROE(自己資本利益率)が高い銘柄に投資するものです。ROEが高いと効率的に利益を出していることになり、株価の上昇が将来的に見込めます。配当よりも値上がりを期待するETFです。
日本高配当株アクティブ上場投信は、時価総額上位1000銘柄から増配・業績動向・予想配当利回りで100銘柄に投資をします。利回りが高い=株価が割安、となりやすく、高い利回りを得ながら値上がりにも期待することできます。
三菱UJF国際投信
名称 | MAXIS 高配当日本株アクティブ上場投信 |
証券コード | 2085 |
ベンチマーク | なし |
組入銘柄数 | 30銘柄以上 |
信託報酬 | 0.4125%(年率) |
売買単位 | 10口 |
決算 | 4回(1月、4月、7月、10月) |
関連記事:【東証ETF】国内高配当株ETFで銘柄選びをせずに、分配金をもらう方法!東証ETFの利点
eMAXIS Slimシリーズで有名な三菱UFJ投信からは、高配当日本株アクティブ上場投信のみがリリースされます。東証に上場している大型・中型株の予想配当利回りの上位銘柄を選びます。30銘柄以上に投資をしますが、値動きは少し大きいかもしれません。
シンプレクス・アセット・マネジメント
名称 | PBR1倍割れ解消推進ETF | 政策保有解消推進ETF | 投資家経営者一心同体ETF |
証券コード | 2080 | 2081 | 2082 |
ベンチマーク | なし | なし | なし |
組入銘柄数 | 上場銘柄の半分が対象 | 1500銘柄が対象 | 株主と経営者が重複する銘柄 |
信託報酬 | 0.99% | 0.99% | 0.99% |
売買単位 | 1口 | 1口 | 1口 |
決算 | 1回(9月) | 1回(9月) | 1回(9月) |
シンプレクスからは個性的なETFが3本出ます。これぞアクティブETF!
PBR1倍割れ解消推進ETFは、PBR(株価純資産倍率)が低い銘柄に投資をするもので経営改善されることで値上がりを狙うものです。東証(JPX)はPBR1倍を切っている企業に対し、株価上昇の要請をするなど低PBR対応を迫られています。
同様に政策保有解消推進ETFと投資家経営者一心同体ETFも、効率的な経営をすることで業務改善・株価上昇を狙うものです。
アクティブETFとはなに?今までと何が違う?
東証に上場している投資信託、東証ETFはパッシブ(インデックス)タイプのみです。投資信託にはアクティブとパッシブがありますが、東証にはパッシブ型ETFしかありませんでした。
NEXT FUNDS TOPIX 連動型上場投資信託(銘柄コード1306)はもちろん、TOPIXに連動しており日経225や東証REITなど有名な指数に連動しているETFのみでした。
アクティブETFで出来ること!
- 株価指数やベンチマークに連動しない、個性的なETFがつくれる!
- 株式に債券を混ぜるなど、複数の資産ETFがつくれる!
- より高いリターンを求めるETFがつくれる!
今までの東証ETFは指数に連動する必要がありました。しかし、アクティブな運用会社の意図に沿った設計ができます。例えば、生成AI関連ETF、ディズニー関連ETF、バイオ関連ETFなどつくることが可能です。
アクティブETFのデメリットは、コストがやや高い事でしょう。ファンドマネージャーが銘柄を調査・選定し、運用をするため0.4%~1.0%ほどの信託報酬がかかります。アクティブ型の投信に比べれば低いですが、コストが高いからリターンが高くなるとは限りません。
また、純資産が大きくならず早期償還されるリスクもあります。ETFの種類が多くなると、投資資金も分散されるので不人気ETFは償還されてしまいます。
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